経営支援集団スリーフォルム

3form(スリーフォルム)は、中小企業の経営支援に特化した集団です

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2013年

与信管理の重要性

掛取引をする業界では、請求を起こしてから入金までに間が空きます。

通常は、入金予定にあわせて仕入計画などを立てます。

ここで、入金が遅れたり、入金までの間に取引先が倒産すると、途端に自社が窮地に立たされます。

考えてみてください。

利益率が5%のビジネスだとして、250万円の利益が飛んでしまったら、これをカバーする売上はいくらになりますか?

そうです。5000万円です。あらたに5000万円売り上げなければ、250万円の損失を取り戻せないのです。

契約書というのは、入金がなければ単なる紙切れにすぎません。

いくら契約で有利な内容を決めていたとしても、債権を回収できなければ何の意味もないのです。

契約書を作らなくて良いと言っているわけではありません。

契約書は、自社を守るツールです。

自社が相手からクレームが入った場合に対抗できるのは契約書の記載です。

ですから、契約書は絶対に必要です。

それでも、契約書を作って安心ということにはなりません。

取引相手の支払能力の調査・審査は常に必要です。

ビジネスは、売って代金を回収しての繰り返しです。

与信管理を疎かにすることのないよう、あらためて自社の体制を見直してはいかがでしょうか?

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

合意管轄条項

契約内容の不履行がある場合、裁判になると、法律で定められた管轄の裁判所に訴えを提起することになります。

そして、どの裁判所に訴えを提起するかについて、当事者で合意して決めることもできます。

これを、合意管轄といいます。

よくある例としては、売主の本店所在地を管轄する裁判所とする場合や、賃貸人の住所地を管轄する裁判所とする場合があります。

ところが、裁判所の管轄を一方的に決められてしまうと、例えば、買主が沖縄で売主が東京の場合で、管轄裁判所を東京地方裁判所としてしまった場合、買主は沖縄にいるのに訴えはわざわざ東京地方裁判所に提起するという負担を強いられてしまいます。

そこで、遠隔地の当事者間で訴えを提起する場合は、それぞれ相手方の住所地や本店所在地を管轄する裁判所に訴えを提起すると定めることによって、公平性を保つこともあります。

ここで、合意の管轄について「専属的」なのか「付加的」なのかについて、契約書の書き方で左右されてしまう点に注意が必要です。

明示的に「専属的」であることを記載しないと、「付加的」なものになってしまい、法律で決められた裁判管轄に加えて、合意した裁判管轄の中からどれかを選べるようになってしまいます。

通常、合意管轄を定める場合は、裁判所を絞る趣旨ですので、必ず「専属的合意管轄」であることを記載するように注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

知的財産権条項

知的財産権とは、産業財産権に著作権や育成者権、営業秘密などを加えた無体財産権の総称をいいます。

産業財産権は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを指します。

上記の知的財産については、例えば、製造委託契約による設計、製造の際に発生する特許権や意匠権、映像制作委託契約での著作権などについて、その帰属を取り決める必要があります。

知的財産権の帰属がはっきりしないままですと、契約終了後に、それぞれの当事者が好き勝手に転用したり第三者に売却したりするリスクが生じてしまいます。

そこで、各契約で発生する知的財産権の帰属について明確にするために、無体財産権が絡む場合は知的財産権条項を設けます。

また、ライセンス契約においては、ライセンサーが真の権利者であることを表明したり、第三者の権利を侵害するものではないことを保証するのが通常です。

知的財産権を保護するための法制度があり、内容が非常に難しいのですが、こちらの取扱いを疎かにすると莫大な損害賠償の請求を受けることもあります。

知的財産に関する取り決めをしっかりと行うことが、自己防衛につながりますので、十分に注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

秘密保持条項

業務提携契約やM&A、ライセンス契約、共同研究開発契約などをする場合は、必ず秘密保持条項が設けられます。

場合によっては、秘密保持契約書を別途作成することもあります。

これは、顧客情報、技術情報などの営業秘密を相手に開示することに由来しますが、契約当事者であることをもって当然に秘密保持義務があるわけではありません。。

情報提供の相手が勝手に第三者に営業秘密を漏らしてしまうと、開示した側がクライアントを奪われたり、信用が低下したりするなどの不利益を被ってしまいます。

そこで、こうしたことを防ぐために秘密保持条項が設けられます。

また、秘密保持は取引先同士のみならず、会社と従業員や会社と退職者との間でも契約として取り決められることがほとんどです。

苦労して築き上げたノウハウなどの営業秘密は、絶対に守らなければなりません。

秘密保持条項を上手に活用して、契約当事者双方に利益となる契約書を作成しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

消費税増税時代をどのように乗り越えるのか!!

6月11日に、新宿のNSビルで開催されるスリーフォルム志業経営セミナー。

日本生命さんの協賛をいただいています。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

セミナーのタイトルは、「消費税増税時代をどのように乗り越えるのか!!」。

ぎりぎりまでレジュメを書いていますが、消費税増税のことを勉強すればするほど、厳しい現実に直面します。

日本経済の現状を考えますと、価格転嫁ができるのか。

給料などの収入が増えませんから、価格競争が激化して値上げできないのではないか。

そして、地デジ騒動の時の薄型テレビのように、駆け込み需要の反動減がかなりありそうです。

中小企業にとっては、まさに生き残りをかけた戦いなのかもしれない。

だから、真剣に勉強します。

セミナー参加者の皆様とお会いできるのを、楽しみにしています。

契約の保証条項

商品や製品の品質などについて、契約では保証条項が設けられることがよくあります。

例えば、家電製品の保証やPCソフトの動作保証などです。

逆に、一切保証しないというケースもあります。

例えば、中古品の品質の完全性について保証しない場合です。

こうした品質の保証に関する内容とは別に、第三者の権利侵害をしていないことや、財務内容が真正であることを保証することがあります。

これらの保証については、いわゆる「表明保証」といわれるもので、その内容が真実でないことが明らかになった場合に、何かしらのペナルティが課せられることとなるケースが多く、M&Aによく用いられます。

ペナルティの例としては、契約解除事由にしたり、損害賠償の対象としたりします。

表明保証は、法律上規定されているものではなく、アメリカの契約実務を日本に取り入れたものといわれてます。

あまり馴染みのないものかも知れませんが、今後は品質などの保証だけではなく、契約締結時の事実についての表明保証を加える取扱いも増えてくるでしょう。

保証については、相手に安心してもらう材料という点では同じですので、上手く活用して取引を円滑に進めるように工夫しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約の瑕疵担保責任条項

商品の売買契約では、瑕疵担保責任について定めることがほとんどです。

瑕疵担保責任というのは、取引上要求される一般的な注意を払っても見つけられない欠陥があった場合に売主が負う責任のことをいいます。

瑕疵担保責任が認められる場合は、契約の解除や損害賠償が認められ、請求できる期間は、民法では1年(570条、566条3項)、商法では6か月(526条2項)とされています。

もっとも、瑕疵担保責任についての法律規定は任意規定(契約でその内容を変更できる規定)ですので、これを排除したり、逆に加重することができます。

例えば、商取引で新品の商品売買の場合は、瑕疵担保責任の期間を1年に伸ばしたり、逆に中古の商品売買では瑕疵担保責任を負わない、または期間を3か月に縮減したりすることが可能です。

買主が消費者の場合に注意しなければならないのは、消費者契約法10条による無効の対象となるような内容にしないということです。

商品の性質や内容に関わらず、一律に瑕疵担保責任を負わないとするような規定にしてしまうと、消費者の利益を一方的に害する規定と判断され、無効となってしまいます。

瑕疵担保責任は、目的物についての保証の性質がありますので、商品の性質・内容や取引の実態に合わせて、瑕疵担保責任の内容をしっかり検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約と危険負担条項

商品や製品の売買契約では、「危険負担」について定めることがほとんどです。

ここで、「危険負担」とは何かというと、債権者と債務者双方に責任がないケースで、商品や製品が滅失または損傷してしまった場合、どちらが損失を負担するのかということです。

民法534条1項は、目的物が特定されている双務契約(ここでは売買契約と考えます。)については、その目的物が債務者に責任なくして滅失し、または損傷したときは、債権者がその滅失または損傷を負担するとしています。

どういうことかというと、売買契約が締結されたら、目的物の引渡前に、大規模地震などで売主の責任無くして滅失または損傷してしまっても、買主は代金の全額を支払わなければならないということを意味します。

しかしながら、これでは取引の実態に合わないケースが多々出てきます。

そこで、民法534条が任意規定(契約で特に決めた場合は排除できる規定)ですので、契約で目的物の引渡時に「売主から買主に危険を移転する」旨の特約を付けます。

このようにして、契約書では危険負担条項を定める事によって、取引の実態に合わせているのです。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約での納品と検収

商品の売買をする契約では、納品方法の取決めと商品の検収についての取決めが行われます。

まず、納品方法については、商品の性質にもよりますが、直接手渡しなのか宅配業者を利用するのかなど、様々な方法が考えられます。

そして、選ばれた方法について、送料などの負担をどちらが負うのか、売主が出向いてセッティングまで行うのかなど、商品の性質を十分に考えて納品方法を決定しましょう。

次に、検収について、商法第526条は「(第1項)買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査し…(第2項)売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。」としています。

「遅滞なく」というのは、正当な又は合理的な理由による遅滞は認めるけれども、すぐにという意味になります。

商法第526条は、買主に義務を認める規定ですので、売主にとっては有利な規定です。

一方で、任意規定(契約で排除することができる規定のことです)ですので、契約で排除することも可能です。この場合は、買主にとって有利です。

とはいえ、契約で排除することは通常の取引ではお互いの立場が確定せず不安要素になります。

そこで、検収については取引の実態に合致するような合理的な期間を決め、検収方法についても合理的で双方が納得できる内容を十分に検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

消費税の増税は、消費者の消費行動を変えるかもしれない!

6月11日に第3回スリーフォルム志業経営セミナーを、日本生命さんの協賛で新宿NSビルで行います。

タイトルは、美容室の生き残り戦略セミナー「消費税増税時代をどのように乗り越えるのか!!」です。

ご存じのとおり消費税が来年の4月から8%になる予定です。

ある美容師さんと話をしたら、うちは8%になっても大丈夫という答えでした。

おそらくこの答えの前提は、今まで8400円だったメニューを8640円にすればいいという考えでしょう。

そういうことならば、私は今回のようなセミナーを行いません。

世間ではアベノミクスが、どうのこうのと言っています。

しかし、あるアンケートでは7割の人が何も変わらないと言います。

変わらないどころか、これから高齢化社会に向かう日本においては社会保険料などの負担が増える一方です。

そんなときに、さらに負担が増える消費税の増税が行われるのです。

私が今回のセミナーを行うのは、消費税の増税をきっかけとして消費者の消費行動が変わるかもしれないからです。

人間は、収入が増えなくて支出が増えれば自己防衛本能が働きます。

現に、低価格カット専門店は今では違和感なく受け入れられています。

最初は、技術に問題があるとか批判ばかりが目につきました。

それなのに、今では多くのお父さんたちが理容室から低価格カット専門店に流れています。

その流れが、美容室にも及ぶかもしれない。

消費税の増税をきっかけとして、今までの自分や家庭の消費を考え直す動きが出てくるとにらんでいるからです。

少子高齢化の進む日本では、いやでも考えなければならないことなのです。

それにどのように対応するのか。

私たち中小企業が生き残るには、どうしたらいいのか。

やはり、勉強しかありません。

私と一緒に勉強しませんか。

皆様の参加をお待ちしています。