経営支援集団スリーフォルム

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06月

知的財産権条項

知的財産権とは、産業財産権に著作権や育成者権、営業秘密などを加えた無体財産権の総称をいいます。

産業財産権は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを指します。

上記の知的財産については、例えば、製造委託契約による設計、製造の際に発生する特許権や意匠権、映像制作委託契約での著作権などについて、その帰属を取り決める必要があります。

知的財産権の帰属がはっきりしないままですと、契約終了後に、それぞれの当事者が好き勝手に転用したり第三者に売却したりするリスクが生じてしまいます。

そこで、各契約で発生する知的財産権の帰属について明確にするために、無体財産権が絡む場合は知的財産権条項を設けます。

また、ライセンス契約においては、ライセンサーが真の権利者であることを表明したり、第三者の権利を侵害するものではないことを保証するのが通常です。

知的財産権を保護するための法制度があり、内容が非常に難しいのですが、こちらの取扱いを疎かにすると莫大な損害賠償の請求を受けることもあります。

知的財産に関する取り決めをしっかりと行うことが、自己防衛につながりますので、十分に注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

秘密保持条項

業務提携契約やM&A、ライセンス契約、共同研究開発契約などをする場合は、必ず秘密保持条項が設けられます。

場合によっては、秘密保持契約書を別途作成することもあります。

これは、顧客情報、技術情報などの営業秘密を相手に開示することに由来しますが、契約当事者であることをもって当然に秘密保持義務があるわけではありません。。

情報提供の相手が勝手に第三者に営業秘密を漏らしてしまうと、開示した側がクライアントを奪われたり、信用が低下したりするなどの不利益を被ってしまいます。

そこで、こうしたことを防ぐために秘密保持条項が設けられます。

また、秘密保持は取引先同士のみならず、会社と従業員や会社と退職者との間でも契約として取り決められることがほとんどです。

苦労して築き上げたノウハウなどの営業秘密は、絶対に守らなければなりません。

秘密保持条項を上手に活用して、契約当事者双方に利益となる契約書を作成しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

消費税増税時代をどのように乗り越えるのか!!

6月11日に、新宿のNSビルで開催されるスリーフォルム志業経営セミナー。

日本生命さんの協賛をいただいています。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

セミナーのタイトルは、「消費税増税時代をどのように乗り越えるのか!!」。

ぎりぎりまでレジュメを書いていますが、消費税増税のことを勉強すればするほど、厳しい現実に直面します。

日本経済の現状を考えますと、価格転嫁ができるのか。

給料などの収入が増えませんから、価格競争が激化して値上げできないのではないか。

そして、地デジ騒動の時の薄型テレビのように、駆け込み需要の反動減がかなりありそうです。

中小企業にとっては、まさに生き残りをかけた戦いなのかもしれない。

だから、真剣に勉強します。

セミナー参加者の皆様とお会いできるのを、楽しみにしています。

契約の保証条項

商品や製品の品質などについて、契約では保証条項が設けられることがよくあります。

例えば、家電製品の保証やPCソフトの動作保証などです。

逆に、一切保証しないというケースもあります。

例えば、中古品の品質の完全性について保証しない場合です。

こうした品質の保証に関する内容とは別に、第三者の権利侵害をしていないことや、財務内容が真正であることを保証することがあります。

これらの保証については、いわゆる「表明保証」といわれるもので、その内容が真実でないことが明らかになった場合に、何かしらのペナルティが課せられることとなるケースが多く、M&Aによく用いられます。

ペナルティの例としては、契約解除事由にしたり、損害賠償の対象としたりします。

表明保証は、法律上規定されているものではなく、アメリカの契約実務を日本に取り入れたものといわれてます。

あまり馴染みのないものかも知れませんが、今後は品質などの保証だけではなく、契約締結時の事実についての表明保証を加える取扱いも増えてくるでしょう。

保証については、相手に安心してもらう材料という点では同じですので、上手く活用して取引を円滑に進めるように工夫しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約の瑕疵担保責任条項

商品の売買契約では、瑕疵担保責任について定めることがほとんどです。

瑕疵担保責任というのは、取引上要求される一般的な注意を払っても見つけられない欠陥があった場合に売主が負う責任のことをいいます。

瑕疵担保責任が認められる場合は、契約の解除や損害賠償が認められ、請求できる期間は、民法では1年(570条、566条3項)、商法では6か月(526条2項)とされています。

もっとも、瑕疵担保責任についての法律規定は任意規定(契約でその内容を変更できる規定)ですので、これを排除したり、逆に加重することができます。

例えば、商取引で新品の商品売買の場合は、瑕疵担保責任の期間を1年に伸ばしたり、逆に中古の商品売買では瑕疵担保責任を負わない、または期間を3か月に縮減したりすることが可能です。

買主が消費者の場合に注意しなければならないのは、消費者契約法10条による無効の対象となるような内容にしないということです。

商品の性質や内容に関わらず、一律に瑕疵担保責任を負わないとするような規定にしてしまうと、消費者の利益を一方的に害する規定と判断され、無効となってしまいます。

瑕疵担保責任は、目的物についての保証の性質がありますので、商品の性質・内容や取引の実態に合わせて、瑕疵担保責任の内容をしっかり検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約と危険負担条項

商品や製品の売買契約では、「危険負担」について定めることがほとんどです。

ここで、「危険負担」とは何かというと、債権者と債務者双方に責任がないケースで、商品や製品が滅失または損傷してしまった場合、どちらが損失を負担するのかということです。

民法534条1項は、目的物が特定されている双務契約(ここでは売買契約と考えます。)については、その目的物が債務者に責任なくして滅失し、または損傷したときは、債権者がその滅失または損傷を負担するとしています。

どういうことかというと、売買契約が締結されたら、目的物の引渡前に、大規模地震などで売主の責任無くして滅失または損傷してしまっても、買主は代金の全額を支払わなければならないということを意味します。

しかしながら、これでは取引の実態に合わないケースが多々出てきます。

そこで、民法534条が任意規定(契約で特に決めた場合は排除できる規定)ですので、契約で目的物の引渡時に「売主から買主に危険を移転する」旨の特約を付けます。

このようにして、契約書では危険負担条項を定める事によって、取引の実態に合わせているのです。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所