契約内容を書面にする際に、公正証書で作成するケースがあります。
公正証書とは、公証人という法律の専門家が作成する公文書のことをいいます。
それでは、契約内容を公正証書で作成する意味はどこにあるのでしょうか?
まず、公正証書は「公文書」であるという点です。
これに対し、契約当事者間で作成した文書を「私文書」といいます。
「私文書」の場合ですと、改ざん等のリスクが無いわけでないので、その際に変更されてしまった内容についての立証に労力を割くことになります。
一方で、「公文書」の場合は、改ざん等のリスクはほとんどありませんので、公文書であるというだけで非常に高い証拠力が認められます。
次に、公正証書に執行力を持たせることが可能であるという点です。
ここでいう「執行力」というのは、分かりやすくいえば、裁判で判決をもらわなくても強制執行ができるという意味です。
ただ、「執行力」を持たせることができるのは、例えば、売買代金の支払いや貸金の返還など、金銭の支払いを内容とする場合に限られます。
そして、「執行認諾文言」を必ず公正証書に盛り込まなければなりません。
裁判手続きを経ないで強制執行ができることになるので、金銭の支払いを内容とする契約については非常に強力なものとなります。