経営支援集団スリーフォルム

3form(スリーフォルム)は、中小企業の経営支援に特化した集団です

TEL.03-5954-9002

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-48-10
25山京ビル325森大志税理士事務所内

契約内容

契約書の目的物・サービス内容規定

契約内容で最も重要な事項の一つとして、契約の目的物やサービスの内容が挙げられます。

売買契約では、どのような商品なのか、どのようなサービスの提供を受けるのかをしっかり特定する必要があります。

また、業務委託契約では、どのような業務をお願いするのか、どのような内容で受けるのかをしっかり特定する必要があります。

製造請負契約やOEM契約では、どのような仕様に基づいて製品の製造を行うのかをしっかり特定する必要があります。

これらの内容が明確になっていないと、目的物の納品や受けたサービスの内容が契約当初にイメージしていたものと異なる場合、提供する側としてはクレームを受けるリスクを負うことになりますし、受ける側としては相手に代替物の納品や損害賠償の請求が困難になるリスクを負うことになってしまいます。

ビジネスでの契約は、必ず対価を伴うものになりますので、契約の目的物やサービスの内容に疑問を差し挟む余地のない程度に明確にしましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約書の前文

ほとんどの契約書では、契約書のタイトルの次の部分に、「○○を売主(以下、「甲」という。)とし、●●を買主(以下、「乙」という。)とし、次のとおり動産の売買契約を締結する。」といった記載がなされます。

これには、どのような機能があるのでしょうか?

1.当事者の特定

誰が契約の当事者であるかを特定します。

そして、契約書の全部に当事者の氏名や商号をその都度記載するのは迂遠ですので、便宜「甲」や「乙」などと言い換えて、契約条項中では簡略な形で表現します。

2.契約内容の特定

どのような内容の契約を締結するのかを特定します。

例えば、売買契約なのか請負契約なのか、基本契約なのか個別契約なのか、付随契約なのかといった部分の特定をします。

また、債務承認契約や損害賠償の示談では、何時発生した何の債務なのか、どういった損害なのかを特定する部分でもあり、非常に重要な機能があります。

この他、当事者が契約締結にあたっての経緯や動機を記載することもあります。

経緯や動機が記載されている場合には、後日争いになった際に、解釈の指針としての意味を持ってくることがあります。

普段は、個別の条項に目が行きがちですが、前文にも重要な機能がありますので、十分注意して内容を検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

期間の計算

継続的な関係が発生する契約内容では、必ず契約期間が設けられます。

それでは、期間はどのように計算するのでしょうか?

まず、期間の最初の日が24時間を満たない場合(例えば、4月1日に契約を締結して同日を初日にする場合。)は、初日を参入しません。

これを、「初日不算入」といいます。

この場合は、契約期間が例えば4月1日から10日間とした場合、末日は4月11日となります。

一方、契約締結が3月31日で、期間の初日が4月1日の場合は、初日を算入します。

この場合は、契約期間が例えば4月1日から10日間とした場合、末日は4月10日となります。

この他にも、週や月、年単位で期間を定めることが多いですが、期間の計算で勘違いしないよう十分に注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約書を公正証書にする意味

契約内容を書面にする際に、公正証書で作成するケースがあります。

公正証書とは、公証人という法律の専門家が作成する公文書のことをいいます。

それでは、契約内容を公正証書で作成する意味はどこにあるのでしょうか?

まず、公正証書は「公文書」であるという点です。

これに対し、契約当事者間で作成した文書を「私文書」といいます。

「私文書」の場合ですと、改ざん等のリスクが無いわけでないので、その際に変更されてしまった内容についての立証に労力を割くことになります。

一方で、「公文書」の場合は、改ざん等のリスクはほとんどありませんので、公文書であるというだけで非常に高い証拠力が認められます。

次に、公正証書に執行力を持たせることが可能であるという点です。

ここでいう「執行力」というのは、分かりやすくいえば、裁判で判決をもらわなくても強制執行ができるという意味です。

ただ、「執行力」を持たせることができるのは、例えば、売買代金の支払いや貸金の返還など、金銭の支払いを内容とする場合に限られます。

そして、「執行認諾文言」を必ず公正証書に盛り込まなければなりません。

裁判手続きを経ないで強制執行ができることになるので、金銭の支払いを内容とする契約については非常に強力なものとなります。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約書と覚書

ジネスを続けていると、取引に関する書類が多く作成されます。

その中でも、契約関係では契約書と覚書が多く作成されます。

ところが、契約書と覚書について誤解がなされていることがあります。

どういうことかというと、
感覚的に、契約書というと契約内容を網羅しているので、法的効力が最も強く、
覚書というと確認事項の備忘録のように捉えられているケースがあるのです。

ここで、「契約」とは何かというと、
権利義務関係について「申込」と「承諾」によって成立する当事者間の合意をいいます。

分かりやすくいえば、当事者同士で合意が成立すれば、
法的な拘束力が発生するのが契約ということになります。

しかも、原則として書類を作成しなくても、契約は成立します。

ということは、書類を作成した場合であっても、
そのタイトルが「契約書」であろうと「覚書」であろうと、
当事者間の合意が成立すれば法的な拘束力が同等に発生します。

つまり、「契約書」と「覚書」の法的効力は同じということです。

ですから、「覚書」だから軽視できるというわけではありませんので注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所