経営支援集団スリーフォルム

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請負契約

契約終了後の商品等取扱条項

販売代理店契約やコンテンツ作成の請負契約をした場合、商品やコンテンツの原データが手許に残ることがあります。

この場合の取扱いについては、どのようなことが考えられるでしょうか。

まず、商品については、在庫をすべて返品し、同様の業務を今後数年間行わないといったことが考えられます。

これは、契約数量後にも商品を販売され、それが原因でクレーム等につながると、委託者側に実害が発生します。

また、競合商品を無制限に販売することを認めると、委託者側の業績に影響することになるからです。

次に、コンテンツについては、著作権などの知的財産権の帰属を委託者にするといったことが考えられます。

これは、製作者にコンテンツの著作権を留保すると、出版物などの派生商品の販売をしたい場合には、製作者の承諾が必要となります。

そこで、委託者がコンテンツの派生商品を販売したいような場合には、著作権を委託者に帰属させることが必要となるからです。

この他にも、ライセンスが関係する場合の取扱いや秘密保持など、契約内容によって契約修了後の取扱いを慎重に検討する必要がありますので、十分に注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約書の前文

ほとんどの契約書では、契約書のタイトルの次の部分に、「○○を売主(以下、「甲」という。)とし、●●を買主(以下、「乙」という。)とし、次のとおり動産の売買契約を締結する。」といった記載がなされます。

これには、どのような機能があるのでしょうか?

1.当事者の特定

誰が契約の当事者であるかを特定します。

そして、契約書の全部に当事者の氏名や商号をその都度記載するのは迂遠ですので、便宜「甲」や「乙」などと言い換えて、契約条項中では簡略な形で表現します。

2.契約内容の特定

どのような内容の契約を締結するのかを特定します。

例えば、売買契約なのか請負契約なのか、基本契約なのか個別契約なのか、付随契約なのかといった部分の特定をします。

また、債務承認契約や損害賠償の示談では、何時発生した何の債務なのか、どういった損害なのかを特定する部分でもあり、非常に重要な機能があります。

この他、当事者が契約締結にあたっての経緯や動機を記載することもあります。

経緯や動機が記載されている場合には、後日争いになった際に、解釈の指針としての意味を持ってくることがあります。

普段は、個別の条項に目が行きがちですが、前文にも重要な機能がありますので、十分注意して内容を検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

注文書は契約書になる?

商品の売買契約や建設業等での請負契約の取引の際に、いわゆる契約書を作成することなく、注文書が送られてきたら商品を発送したり工事に取りかかったりすることがよくあります。

では、注文書だけで契約書を作成したことになるでしょうか?

答えは、NOです。

というのも、契約は「申込」と「承諾」で成立します。

そして、注文書は「申込」にはなりますが、これに対応する「承諾」がないからです。

それでは、注文書を活かして契約書とするにはどうすればよいでしょうか?

それは、注文請書を作成して(または作成してもらって)、注文書と合わせることで契約書とすることができます。

つまり、注文請書が「承諾」になるので、「申込」である注文書と「承諾」である注文請書を合わせると、契約の成立要件である「申込」と「承諾」があった事実を証明することができるのです。

「契約書」は1つの書類で作成しなければならないというルールはありませんので、上記のケースの様に2つの書類を合わせて契約書とすることもできるのです。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所