経営支援集団スリーフォルム

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取引の実態

契約と危険負担条項

商品や製品の売買契約では、「危険負担」について定めることがほとんどです。

ここで、「危険負担」とは何かというと、債権者と債務者双方に責任がないケースで、商品や製品が滅失または損傷してしまった場合、どちらが損失を負担するのかということです。

民法534条1項は、目的物が特定されている双務契約(ここでは売買契約と考えます。)については、その目的物が債務者に責任なくして滅失し、または損傷したときは、債権者がその滅失または損傷を負担するとしています。

どういうことかというと、売買契約が締結されたら、目的物の引渡前に、大規模地震などで売主の責任無くして滅失または損傷してしまっても、買主は代金の全額を支払わなければならないということを意味します。

しかしながら、これでは取引の実態に合わないケースが多々出てきます。

そこで、民法534条が任意規定(契約で特に決めた場合は排除できる規定)ですので、契約で目的物の引渡時に「売主から買主に危険を移転する」旨の特約を付けます。

このようにして、契約書では危険負担条項を定める事によって、取引の実態に合わせているのです。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約の期間

業務委託契約や労働契約など、継続的な契約では契約期間を定めます。

上記のような契約で契約期間の定めがない場合は、原則として当事者の一方から契約終了の申出があれば契約は終了します。

ほとんどの契約書には契約期間の定めがありますが、契約期間の定め方にはどのようなものがあるのでしょうか?

①更新条項がないケース

例えば、平成25年5月1日から平成26年4月30日までの1年間とする、というように、更新条項を設けないでシンプルに契約期間を定めるケースです。

このケースは、報酬や条件をを見直すタイミングを設けたい場合に多く見られます。

②更新を可とする条項があるケース

例えば、平成25年5月1日から平成26年4月30日までの1年間とし、契約期間の満了の1か月前までに当事者双方の合意の上、さらに1年間更新することができる、とするケースです。

このケースは、様子を見て双方が続けても良いと考えられるのであれば、更新するという場合に設けられます。

③条件付で自動更新するケース

例えば、平成25年5月1日から平成26年4月30日までの1年間とし、契約期間の満了の3か月前までに当事者の一方から書面による契約終了の申出がない場合は、さらに1年間更新するものとし、以後同様とする、とするケースです。

このケースでは、関係性を継続させることを前提とし、例えば、居住用の建物の賃貸借契約に多く見られます。

契約期間についての定め方には、様々なバリエーションがあります。

取引の実態に合わせて、細かく検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所