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契約終了後の商品等取扱条項

販売代理店契約やコンテンツ作成の請負契約をした場合、商品やコンテンツの原データが手許に残ることがあります。

この場合の取扱いについては、どのようなことが考えられるでしょうか。

まず、商品については、在庫をすべて返品し、同様の業務を今後数年間行わないといったことが考えられます。

これは、契約数量後にも商品を販売され、それが原因でクレーム等につながると、委託者側に実害が発生します。

また、競合商品を無制限に販売することを認めると、委託者側の業績に影響することになるからです。

次に、コンテンツについては、著作権などの知的財産権の帰属を委託者にするといったことが考えられます。

これは、製作者にコンテンツの著作権を留保すると、出版物などの派生商品の販売をしたい場合には、製作者の承諾が必要となります。

そこで、委託者がコンテンツの派生商品を販売したいような場合には、著作権を委託者に帰属させることが必要となるからです。

この他にも、ライセンスが関係する場合の取扱いや秘密保持など、契約内容によって契約修了後の取扱いを慎重に検討する必要がありますので、十分に注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約の損害賠償規定

民法上、故意または過失によって債務不履行があった場合は、相手に対して損害賠償を請求する権利が認められています。

民法の原則通りの権利とする場合は、敢えて契約書に明記する必要はありません。

一方、①損害賠償を免除する場合、②民法の原則よりも加重する場合、③損害賠償額の予定を定める場合などでは、契約書に明記する必要があります。

まず、①については、例えば、「本契約によって乙に生じる損害の一切を甲は負わない」とするような場合です。

これは、無料のコンテンツの利用など、商品やサービスを無償で提供する場合に設けられることが多い規定です。

次に、②については、例えば、「遅延損害金を年14.5%ととする」と規定するような場合です。

これは、金銭債権について支払いが遅れた場合は、民法上の法定利率が年5%(商法の適用がある場合は、年6%)であるところ、当事者間の合意で10%ととするように、法定利率よりも高い利率で遅延損害金の利率を定めることです。

最後に、③については、当事者間で損害賠償の額を具体的に予定する場合です。

この場合、よく「違約金」として記載されることが多いのですが、民法上「違約金」が損害賠償額の予定と推定されるので、「違約金」の定めがある場合は、実際の損害賠償額より「違約金」の額が多くても少なくても、当事者は原則として「違約金」の額の請求又は支払をもって損害賠償について解決することになります。

なお、労働契約や就業規則で「違約金」を定めると、賠償の予定の禁止(労働基準法16条)に抵触するので、その部分について無効となります。

この他にも、損害賠償規定は、契約内容によって個別具体的に定めることも多くありますので、様々なケースを想定して、お互いの契約内容の実現に向けて検討しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

期限の利益喪失条項

期限の利益というのは、代金の支払いや商品の納入の時期が例えば1か月先であるなど、債務者にとって資金調達をしたり仕入れたりするまでの期間の猶予があり、その期限までは債務を履行しなくてよいというメリットをいいます。

では、例えば売買代金を2か月後払いにした場合、相手が支払期限を守れないとしたら何が考えられますか?

経営状態が悪化が考えられます。

そして、経営状態の悪化が1か月後に分かった場合でも、支払を2か月後まで待たなければならないとしたら、売主は不安で仕方ありません。

そこで、買主が差押えや破産手続開始の申立てをしたような場合は、期限の利益を喪失させ、当初の支払期限から早めて即時に支払をさせることが売主の保護につながります。

このように、買主に信用を与える代わりに、買主の状態が悪化した場合には信用を奪って即時に支払をさせる条項を、期限の利益喪失条項といいます。

相手に信用を与える場合は、必ず期限の利益喪失条項を入れましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約の解除条項

契約の相手に債務不履行があった場合などに、契約を解除することができます。

契約当事者としては、債務不履行があった相手と取引を継続するよりは、新たな取引先との取引を開始した方が有利な場合もあります。

そこで、契約による拘束から解放するための手段として、解除があります。

解除には、法律上認められているもの(これを法定解除といいます。)と、これに加えて当事者間で決めた事由が発生した場合に解除できるとする約定解除があります。

それでは、解除を行うための方法として、どのようなものが考えられるでしょうか?

①無催告解除
これは、解除の事由に該当する事実があった場合に、催告をしないで解除することができるという方法です。

解除は原則として、相手に履行を促してから、それでも履行されない場合に可能となります。

もっとも、相手が不渡りを出したり破産したりした場合に、履行を促していたら、損害がさらに拡がってしまいかねません。

このような場合は、無催告解除が認められるケースがほとんどです。

そこで、無催告解除ができるための条件を決めることが実務的な対応となります。

②履行催告後の解除
これは、解除の原則にしたがった解除方法です。

ここで、相手に履行を促す期間が問題になりますが、これは、自分が損害を受けない程度の期間を定めるのが実務的な対応となります。

とはいえ、猶予を1日しか与えないとなると、解除そのものの有効性に疑問が出てきてしまいますので、相手が通知を受けてから代金を用意して支払うまでの期間を最低限考慮しましょう。

解除は、契約関係を終了させる強力なツールです。

そのため、解除をする場合は、必ず書面で相手に通知するようにしましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所

契約代金の支払規定

契約代金の支払いについては、最低でも①支払回数、②支払時期、③支払方法についての取決めが必要となります。

まず、①支払回数については、一括なのか分割なのかを取り決めます。

金額や契約内容によって、その業界の慣習に対応する必要がありますが、代金を支払う立場としては、分割にする場合は、相手が信用できるかどうかが重要な判断材料になります。

次に、②支払時期については、商品やサービスの納入後なのか前払いなのか、また、契約時にいくらか支払って残代金を商品・サービスの納入後に支払うのか等を取り決めます。

契約内容によって、仕入や経費負担が大きい場合などは前払いや契約時に一部の支払をするという内容にすることや、業界によっては製品の納入後2か月以内に支払うなどの売掛取引とする内容にすることがケースとして多いです。

取引業界の慣習もありますが、代金を支払う側も受け取る側も、相手が信用できるかどうかが重要な判断材料になります。

最後に、③支払方法については、現金を銀行口座に振り込むのか、小切手で支払うのか、手形を発行して支払うのか等を取り決めます。

現金を振り込む場合は、代金を支払う側に振込手数料を負担してもらいます。

小切手や手形で支払う場合は、代金をもらう側が取立手数料を負担することになります。

小切手や手形での支払の場合は、現実に入金するまでの間にタイムラグがあるので、業界の慣習の他、相手が信用できる場合に選択するよう注意しましょう。

執筆:企業法務専門の福本匡洋総合司法書士事務所・福本総合行政書士事務所